24時間換気って必要なの?

赤まる印が24時間換気システムの換気扇

暮らしていく中で換気をしたいと思うとき、それは「こもった空気を外に出す」「外の新鮮な空気を室内に取り入れたい」などがありますね。 換気は現代の住宅には非常に重要な設備のひとつで、常に換気をして「こもった空気を外に出して」「外の新鮮な空気を室内に取り入れている」状態にしておくとカビやダニの繁殖を抑えられ、有害物質などの気体も排出でき、健康的で快適な暮らしをおくることができます。

住宅のため、健康のための換気

多湿になる日本の夏は、カビとダニが繁殖しやすい気候です。 冬であっても暖をとって室温が上がった部屋では窓や壁の内部が結露し、カビが繁殖します

さらに近年の家は気密性が高いため、カビやダニが繁殖しやすく、そのままにしておくとアレルギーになりやすくなってしまいます。

また、一酸化炭素や人体から排出される二酸化炭素など、ガスに含まれる燃焼系の気体や、有害化学物質の気体も換気が必要な要因です。 気体によって症状は変わりますが、これらは一定数以上を人体に取り込んでしまうと体調が悪くなる原因となります。

でも、常に窓を開けて換気するのは現実的ではありません。 寝ているときやお出かけのときは防犯のため、しっかりと鍵をかけなくてはいけませんし、外気を直接入れるのも寒かったり暑かったりするので難しいですよね。

そこで、機械設備による換気が登場します。 これを24時間換気システムといいます。

24時間換気システムとは?

住宅には、24時間換気システムといって、機械設備による換気を導入しなければいけません。 これは建築基準法で定められており、近年の住宅には必ず換気システムが導入されています。

住宅の換気は、第三種換気と呼ばれる、外気をそのまま取り込む自然給気が一般的です。

初期費用も運用費用も安価で済み、メンテナンスも比較的簡単にすることができます。 デメリットは冬は寒い空気を取り込んでしまうので、給気口の近くは寒いといわれたり、冷暖房の効率が落ちます

でもその対策として、給気口を付けるときに寒さを直接感じにくい位置暖房機器から遠い位置に計画することなどがあります。

そうすることでお施主様には快適な暮らしを、カビやダニは繁殖しにくい環境づくりができます。

法律で定められる以前は……

1973年頃のオイルショックを契機に、省エネルギー対策として住宅の高気密・高断熱化が推進され、それまでの伝統構法で建てられた家や建材はその対策として劣ると位置づけられました。(現在は見直されてきています。) そして鉄筋コンクリート造や2×4工法などが登場し、アルミサッシやビニールクロスなどの新建材も開発され、気密性や断熱性、経済性、生産性、施工性に優れた住宅が普及しました。

しかしその当時は換気や湿気への関心が薄いために対策を怠り、さらに時代が経つにつれさまざまな新建材が開発され、有害な化学物質(ホルムアルデヒドなど)による空気汚染も目立つようになってきます。

住宅は気密性が高まっていきますが、室内環境は悪化していく一方でした。

そのような時期に問題となったのが「シックハウス症候群」です。 原因として、換気の悪さもひとつの問題点として挙げられています。

そこで、建築基準法の改正で2003年7月1日以降に着工する住宅は、化学物質の発散量の少ない建材を使うこと、また、換気によって室内の化学物質の濃度を低減させることが定められるようになりました。

換気については、住宅では2時間で部屋の全部の空気が入れ替わるようにするという法律です。 24時間換気システムはこれに基づき運用されています。

新型コロナウイルスの影響

今年は、新型コロナウイルスが猛威を振るい、換気が特に注目されています。 手洗いうがい、手先の消毒とともに、換気をしっかりすることも大切です。

建築基準法改正後の住宅は先ほども言った通り、換気設備が備わっています。 ですがこれがきちんと使われていないことも少なくありません。 寒いから、電気代がかかるからと換気口が閉じられたまま、またはシステムのスイッチが切られたままということもあります。 使う際は換気口の掃除もしっかりして、システムを正しく使えば効率よく換気が行えます。

参考:株式会社テクニカルマネジメントチーム、suumo、LIFULL HOME’S PRESS

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