木と土壁の家のお手入れは大変?お手入れ方法をご紹介します!

2025年も残すところあとわずか、早いもので師走の足音が聞こえてきましたね。この時期の恒例行事といえば、「年末の大掃除」です。気持ちよく新年を迎える準備として、計画を立て始めている方も、すでに少しずつ掃除を始めている、という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、自然素材の家にお住まいの方に向けて、無垢床や土壁を美しく保つためのお手入れ方法をご紹介します!「自然素材の家を建てたいけど、お手入れが難しそう」と心配な方も、ぜひご覧ください。

自然素材の家は「意外と簡単」に、長く美しく保てます

自然素材をふんだんに使用した家に対しては、「繊細そうだから特別なメンテナンスが必要なのでは?」と、お手入れの難しさや、時間・費用がかかるのではないかというイメージをお持ちかもしれません。しかし、ご安心ください。意外と簡単なお手入れで、長く快適な暮らしを送ることができます。

無垢床

普段のお手入れは、掃除機でホコリやゴミを取り除くだけで十分です!定期的に蜜蝋ワックスなどを塗ってあげると、撥水効果で汚れを防ぎつつ、艶やかな木の表情を楽しむことができます。

食べ物や油の汚れ

  1. 中性洗剤を水で薄めたものに雑巾を浸し、固く絞る。
  2. 汚れた部分を拭いてから、すぐに乾拭きして完了。
  3. 汚れがひどい場合には、サンドペーパーで表面を削り、蜜蝋ワックスなどで仕上げる。

傷や凹み

  1. 水を染み込ませたティッシュまたは濡れ雑巾を凹んだ部分に置く。
  2. その上にアイロンを当てる。
  3. 様子を見ながら、繰り返しアイロンを当てる。

木の外壁

カビなどの汚れ

  1. 熱湯に雑巾を浸して固く絞る。
  2. 汚れが気になる部分を擦るように拭く。

木材にも使えるカビ取り剤も販売されているので、それらを活用するのも1つの方法です。
弊社では、テレビで放送されていて興味のあった「Mold ZERO」という商品を購入して、事務所の外壁に使用してみました。こちらは吹きかけた瞬間から、元の木の色が出てきて驚きました。

土壁・漆喰壁

普段のお手入れは、ほとんど何もしなくてもOK!時々、壁に引っ付いたホコリなどを掃除機でそっと吸ってあげる程度です。

カビなどの汚れ

土壁

左官職人さんによると、有効な方法はないそうです…(泣)ひどいようであれば、塗り直しをご検討ください。

漆喰壁
  1. キッチン泡ハイターを薄め、綿棒やガーゼに染み込ませる。
  2. カビが気になる部分をトントンと押さえるように拭く。

あまり強く拭くと漆喰がはがれてしまうので、優しくがポイントです。

【⚠漆喰壁のカビ取りの注意点】

  • キッチンハイターより濃度の低い泡タイプを使うこと。
  • 目立たないところで試してから行うこと。
  • 白色以外の色のついた漆喰ではしないこと。

住まい手さんに聞いた!お家のお手入れ、どうしてる?

住まい手さんにアンケートや定期点検の際に、お家のお手入れでしていることを教えていただきました。

外壁の漆喰にできたカビ汚れに、キッチンハイターをちょんちょんとつけたところ、結構綺麗にとれました
K様/2015年完成
◆土壁
扉の開け閉めなど頻繁に触れる場所では、土がポロポロと落ちてくることがあり、落ちた土を拭き取る際に奥の壁を傷つけてしまわないかと迷うことも。そのため、優しく拭くように心がけています。ホコリが気になった時は、半年に一度くらいの頻度ではたきを使い、優しく払っています。また、コンロ横の土壁に油汚れがついてしまった時は、すぐに水で湿らせた布でたたくようにすると、きれいに落とすことができるので安心です。
◆無垢床
入居前に蜜蝋ワックスを塗ってから特に何もしていません。それでも、だんだん色が濃くなってきて、味わい深い雰囲気に変わってきました。ちょっとした汚れが気になる時は、メラニンスポンジでこすってからオイルを塗ると元通りです。木の家が好きな人にとっては、そんなお手入れも楽しめると思います!
もうすぐ築9年を迎える我が家ですが、家族でよく話すのは「この家が自然素材で本当に良かったね」ということです。もし自然素材でなければ、だんだんと古びて汚くなっていたかもしれません。しかし、我が家では時が経つにつれて木の色が深まり、味わい深い雰囲気に変わってきました。使い込むほどに風合いが増していくのが嬉しく、この家にしかない魅力だと感じています。
M様/2017年完成
◆土壁
新築から一度も手入れをしていない土壁ですが、物をぶつけると土がポロポロ落ちてくるため、その点だけは注意して生活しています。小学生の息子がスポンジボールでサッカーをするくらいなら大丈夫です(笑)
◆無垢床
半年に一度、ワックスをかけているだけなので手間はかからないです。
◆外壁の木
特に何もしていないので、どうしても汚れていってしまいます。でも、そのだんだん汚れていく様子を「味」として捉えているので、全然問題ないですね。
S様/2020年完成

思っていたより”普通のお手入れ”ではありませんでしたか?

いかがでしたか?
木の家、土壁の家だからといって、お手入れに特別なことは必要ありません。確かに、無垢の木などの自然素材は、傷がついたり色味が徐々に変わったりと、石油由来の建材製品と比べてその変化の幅は大きいように見えます。

しかし、その一つ一つの変化こそが、住まいの歴史となり、唯一無二の「味」となって深まっていくのです。特に無垢床は、使い込むほどに自然な艶を帯び、味わい深い光沢を増していきます。特別な知識よりも、素材への愛着が長持ちの秘訣となります。

「この家が自然素材で本当に良かった」という住まい手さんの言葉が示すように、自然素材の家は古びるのではなく、使い込むほどに美しくなる「経年美化」の住まいです。

この記事が、皆さまの年末の大掃除と、豊かな家づくりを考えるきっかけとなれば幸いです。
お手入れのことでご不明な点がございましたら、いつでもご相談ください。