2017年に完成したM様邸は、弊社の規格型住宅「ビタミンハウス」の第2号です。実際にこの家で暮らし始めてから気づいたことや、日々の快適さ、そしてこの家がもたらす豊かな時間についてお話を伺いました。「良いところなんて言い出したらキリがないですよ!」と笑顔で迎えてくださったM様。その言葉通り「ビタミンハウス」での暮らしは、深い愛着がわく住まいとなっているようです。ぜひ、インタビュー記事を通してその魅力に触れてみてください。

「夏はさらっと、冬はしっとりした空気」と言われることがあります。実際に住まわれてみていかがですか?
夏のジメジメとした湿気はほとんど感じません。湿気を感じるとすれば、窓をすべて開けた時と梅雨時などの雨が続く日だけ。そんな日でも、裸足で歩いた時のペトペト感がなく快適です。
冬の乾燥も全く感じません。むしろ、「あれ?冬って乾燥する時期でしたっけ?」と思うほど、乾燥を感じないのが当たり前になっています。
「室内干しでもよく乾いて嫌な臭いがしない」と言われることがあります。実際に部屋干ししてみていかがですか?
これは入居した時から「すごい!」ととても感動していますが、部屋干ししてもカラッと乾き、嫌な臭いも一切しません。梅雨時はもちろん、冬も石油ストーブをつけているおかげか、驚くほどよく乾きます。以前住んでいた一般的な木造住宅では、なかなか乾かない上に嫌な臭いがついてしまい、雨の日だけ仕方なく部屋干しをしていたので、この違いには本当に感激しています。部屋干しでよく乾くなら外に干す必要がないので、私たちのような共働き世帯や、花粉症がひどい方などには本当におすすめです。
土壁には蓄熱効果があり、冬は蓄えた暖房の熱を放出し、夏は室内の熱を吸収する特徴があります。実際に住まわれてみていかがですか?
冬は以前の住まいと比べるとそれほど寒くないです。朝起きても、前日に使っていた石油ストーブのおかげか、部屋はほんのり暖かいまま。日中つけている1階と2階の暖房を寝る前に消しても、暖房のない2階の寝室で温かく眠ることができます。床も冷たくないので、スリッパを履かずに裸足で歩けるほどです。以前の住まいは、朝の室温が5℃くらいになり廊下も冷たく、風邪ばかり引いていましたが、この家に引っ越してからそんなことはなくなりました。
夏は帰宅すると、家の中はひんやりとサラッとした感触がありますが、正直なところ暑さは感じます。最近になって気づいたのは、エアコンを上手に活用することが大切だということです。例えば、日中にエアコンを緩めに設定しておくと、その涼しさが翌日の朝まである程度持続します。また、2階のエアコンをつけておくだけで、エアコンのない寝室まで少し冷えて快適に過ごせるんです。
土壁や漆喰には消臭効果があり、料理の匂いなど生活臭がこもらないと言われています。そのようなことを実感することはありますか?
臭いを気にしたことがないので、残っていないのだと思います。キッチンでお肉や魚を焼いたり、お鍋をしたりしても、換気をすればすぐに臭いはなくなり、翌日まで残っているなんてことはないですね。
自然素材は掃除やお手入れに手間がかかると心配される方もいます。実際に住まわれてみていかがですか?
土壁
扉の開け閉めなど頻繁に触れる場所では、土がポロポロと落ちてくることがあり、落ちた土を拭き取る際に奥の壁を傷つけてしまわないかと迷うことも。そのため、優しく拭くように心がけています。ホコリが気になった時は、半年に一度くらいの頻度ではたきを使い、優しく払っています。また、コンロ横の土壁に油汚れがついてしまった時は、すぐに水で湿らせた布でたたくようにすると、きれいに落とすことができるので安心です。
無垢床
入居前に蜜蝋ワックスを塗ってから特に何もしていません。それでも、だんだん色が濃くなってきて、味わい深い雰囲気に変わってきました。ちょっとした汚れが気になる時は、メラニンスポンジでこすってからオイルを塗ると元通りです。木の家が好きな人にとっては、そんなお手入れも楽しめると思います!
もうすぐ築9年を迎える我が家ですが、家族でよく話すのは「この家が自然素材で本当に良かったね」ということです。もし自然素材でなければ、だんだんと古びて汚くなっていたかもしれません。しかし、我が家では時が経つにつれて木の色が深まり、味わい深い雰囲気に変わってきました。使い込むほどに風合いが増していくのが嬉しく、この家にしかない魅力だと感じています。
お家の間取りや仕様で「こうして良かった」と紹介できるところはありますか?
無垢材
時間が経つにつれて色が濃くなり、風合いが増していく無垢材。暮らせば暮らすほど綺麗になっていくのを感じます。「古くなったら汚くなる」のではなく、「より美しくなる」のが無垢材の魅力です。
例えば、ちょっとした汚れがついたときも、磨いてオイルを塗れば、さらにツヤツヤになります。手間をかければかけるほど美しさが増していくので、お手入れの時間も楽しみに変わります。以前、他の会社さんの無垢の家も見に行きましたが、なんとなく「違うな」と感じていました。ですが、造家工房さんの家は木そのものがとても綺麗で、シンプルなのにおしゃれな雰囲気に一目惚れ。特注でつくっていただいた無垢材の家具も、今ではお気に入りです。
離れの心理相談室に来てくれた方や息子の友人たちからは、いつも「木の良い香りがするね」と褒めてもらえます。特に息子の友人からは「やばい!めっちゃいい匂い!」と興奮気味に言われることも(笑)無垢材が醸し出す心地よさを、みんなが感じてくれているようで嬉しいです。
キッチン
対面キッチンにして本当に良かったと感じています。料理を一人で黙々とこなすのではなく、家族と会話をしたり、子どもの様子を見守ったり、窓から景色を眺めたりしながらできるこの空間が、本当に心地良いんです。特に子育て世代には心からおすすめしたいです。また、建築時に自分でタイルを張らせていただいたんですが、とっても大変だった分、愛着が湧いて綺麗にしようという気持ちになります。


リビング階段
リビング階段にして、本当に良かったと感じています。家族が必ずリビングを通る間取りなので、子どもが大きくなっても「いってきます」や「ただいま」の声を聞くことができ、自然と顔を合わせる機会が増えました。子育て中の私たちにとって、家族の繋がりを大切にできるこの場所が、とても気に入っています。
大きな窓
リビングの大きな窓につけていただいた、上下開閉タイプのハニカムスクリーンがお気に入りです。自宅から公園の木々を眺められるのですが、遊歩道を歩く人からの視線が気になっていました。しかし、このハニカムスクリーンのおかげで、プライバシーを守りながらも景色をしっかり楽しむことができています。窓のそばでお昼寝をしたり、お茶をしたり、家族みんなでこの時間を楽しんでいます。緑に面した間取りを提案してくれたことに、本当に感謝しています。


音の響き
家で音楽を聴くと、まるでコンサート会場にいるかのような美しい響きに驚かされます。特に感動するのがピアノの音色です。1927年製のドイツのピアノをリメイクした、クラシカルな音色のピアノを弾くと、以前の家とは音が全く違い、とても気持ちよく演奏できます。以前からお世話になっている調律師さんは、これまでの住まい2軒もご存知なのですが、「今の家に来てから、ピアノの調子がとても良い」と言ってくださいました。繊細で狂いやすい古いピアノですが、土壁が楽器にも良い影響を与えているようです。

離れ
最初は家に部屋を一つ追加する予定でしたが、最終的に別棟として建てていただいたのが本当に良かったです。おかげで仕事とプライベートをきっちりと区切ることができ、美しい景色を眺めながら仕事ができる最高の環境になりました。新築当初は、今のように本格的に仕事をする予定ではありませんでしたが、結果的に別棟にしたことで、たくさんの人に気軽に訪れてもらえる場所になったと思います。家と一体化させるか、別棟にするかでは大きな違いがあると思いますが、私たちの希望を汲んでいただき、最適な提案をしてもらえて本当によかったです。
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